住宅ローンの金利タイプの選び方

住宅ローンの金利タイプには、「固定金利」「変動金利」「期間選択型固定金利」があります。

それぞれの特徴を確認します。

  • 固定金利:契約した時点の金利が最後まで続く。今後金利が上昇する場合は有利になるが、契約時点では変動金利よりも金利が高い。
  • 変動金利:半年ごとに金利が変わる。契約時点では固定金利よりも低いが、その後の金利状況によってはかえって高くなる可能性もある。
  • 期間選択型固定金利:「5年」「10年」など選んだ期間は金利が固定される。その期間が経過すると、その時点の金利で再度選び直す。〝固定〟とあるが、長期にわたることを考えると、変動金利の一種と認識した方がよい。

 

現状では変動金利の方が固定金利よりも低いので、現在の状況が続くようでしたら変動金利の方が有利です。ただ、変動金利には金利上昇という〝リスク〟がともないます。リスクがある分、金利が低くなっているともいえます。

今後の金利状況によってどちらが有利か、が変わってきますが、金利そして経済状況の予想をしてもあまり意味はありません。エコノミストなどの専門家の意見を参考にしても、当たらないことが少なくないからです。

予想がはずれたためにローンの返済に行き詰るという事態は避けなければなりません。金利の上昇が起きた場合に、繰り上げ返済などの対応策がとれるかどうかが、「変動金利を選ぶことができるか」のポイントとなります。対応策が取れないようでしたら、金利が高くても固定金利を選ぶ必要があります。つまり、「今後の経済状況の予想」で選ぶのではなく、「今後のわが家の家計状況」で、変動金利を選択できるかが決まります。

もちろん、変動金利を選べる人が固定金利を選んでも問題ありません。心配ならば固定金利を選ぶのも可です。変動金利を選べる人は、どちらを選んでもよいのです。

 

変動金利を選んでも問題ないケースは、以下のような場合です。

  • 住宅ローンを利用するが、ある程度は別に預貯金を確保している人:預貯金があれば、急激な金利上昇が起きた場合に、繰り上げ返済をして、返済額の上昇を防ぐことができます。手元にほとんど預貯金が残らない人は固定金利を選択する方がよいでしょう。
  • 返済期間が短い人:ローン残高が減るのが早く、金利上昇による影響が小さくなります。返済期間を10~15年でローンを組んだケースです。30~35年のローンの場合は、変動金利のリスクが大きくなります。
  • 収入に比べて抑え目にローンを組んだ人:ある程度は返済額が上昇しても生活に支障が出ません。繰り上げ返済のための預貯金も比較的早くに貯められます。一方、目いっぱいにローンを組んだ人は、高くても固定金利を選ぶべきです。

 

変動金利を選んだ方が返済額は押さえられます。しかしその場合は、予想外の金利上昇が起きた場合の対処方法を検討しておく必要があります。金利上昇時に対応が難しい場合は、返済額が高くても固定金利を選んだ方がよいでしょう。

2023.7.7記

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